今日で東日本大震災から13年が経過しました。
あの日のことは忘れられません。
そしてカバン作りに「持ちやすさ」「収納力」のこだわりを持つきっかけとなった出来事でもあります。
2011年3月11日、当時の私は東京で輸入カバンのバイヤー兼営業をしていました。
遅めのランチ中、ひどい揺れに遭いました。
秋葉原の電器街のビルはゴムのように横に揺れ、車はトランポリンのように跳ねていました。
交通などインフラは全て停止
道はデコボコになるところもあり、電車でも車でも移動ができない
そんな状況でした。
千葉にある自宅まで、6〜7時間かけて歩きました。
長男が生まれる1ヶ月前で、身重の妻が自宅にいます。
通信障害も起きていたので連絡が思うようにできず、不安な気持ちで歩いていたことを覚えています。
その当時の私は、スーツに革靴、ブリーフバッグという一般的なビジネスマンの格好です。
長時間の歩行での移動を想定しておらず、とても歩きづらいです。
カバンの容量も少ないため、道中で物資を購入することもできません。
道は崩れたところもあります。
片手でカバンを持ちながら不安定な足元を進むのはとても困難です。
この経験から、カバンはデザインだけでなく実用性も重要だと再認識しました。
当時、バックパックは登山用のものしか持っておらず、通勤や日常で使用することはありませんでした。
他のビジネスマンも同様で、ブリーフケースやトートバッグを手持ちや肩掛けのスタイルで通勤する方が多かったと思います。
現在のようにビジネスでリュックを使う姿は震災以降に増えました。
両手が空くことの大切さ、カバンの持ちやすさと収納力の重要性を皆が意識するようになったのだと思います。
この震災での経験から、SIMCLEARでのカバン製作では「持ちやすさ」「収納力」にこだわり強く意識しています。
トラベラーも大容量ながら本格的なリュックショルダーを搭載しています。
長時間背負って歩いても疲れにくい設計にしました。
昨今、震災をきっかけに通勤スタイルがカジュアル化したと思います。
リュック通勤率も都心部ほど高い傾向にあるのではないでしょうか?
ブリーフケースも良いのですが、「持ちやすさ」「収納力」という実用性を考えるとバックパックに軍配が上がります。
あなたの通勤スタイルはどうでしょう?
新生活がはじまるこの季節に、新たなものを検討しても良いかもしれません。
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